あなたは首や背中、腕に痛みやシビレを感じることはありませんか？

もし、そのような症状がなかなか治らないようなら、あなたは「頚椎椎間板ヘルニア」かもしれません。「頚椎椎間板ヘルニア」とは頚椎椎間板の加齢変性（老化）と筋肉の緊張が原因で起きる神経と筋肉の疾患です。

実は最近、パソコン、スマホの長時間の使用が原因で頚椎椎間板ヘルニアになる人が増えています。

「頚椎椎間板ヘルニア」はひどくなると痛みで横になるのもつらくなり、日常生活にも支障をきたす疾患です。適切に治療を行わないと改善まで日数がかかったり、症状が悪化したりする恐れがあります。

つらい症状を早く改善するために、今回は頚椎椎間板ヘルニアの適切な治療法と最適な治療院の選び方についてお伝えします。

頚椎椎間板ヘルニア症状の内、脊柱症状、神経根症状、自律神経症状の治療は、ほとんどが保存療法で行い、脊髄症状である腕が動かなくなったり、握力がなくなったり、歩行困難が起こったりした場合は手術をしなければならない時もあります。

ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの脊柱症状、神経根症状、自律神経症状における保存療法についてお伝えします。

 

１．治療院を選ぶ前に知って欲しいこと

 

最適な治療法と治療院の選び方についてお伝えする前に、１つだけ頭にとどめて置いていただきたいことがあります。

それは、頚椎椎間板ヘルニアは先ほどお伝えしたとおり神経の病気であり、一般的な首こり、肩こり、寝違えよりも、はるかに重篤な病気であると言うことを認識して治療方法を選んでいただきたいということです。

頚椎椎間板ヘルニアの治療は難しく根本的な治療法は確立されていないのが現状です。しかし、適切な治療を行えば、痛みとシビレを緩和し日常生活では気にならないようにするレベルまでに改善することが出来ます。

その一方で、間違った治療法を選んでしまうと症状が悪化したり、最悪な時は神経や脊髄を損傷したりする可能性があるので、治療を受ける時はくれぐれも注意してください。

 

２．まずは病院（整形外科、脊椎脊髄専門外科）を受診してください。

 

 

３０歳以上の方で、首や背中、腕の痛みがなかなか治らない、手のシビレが時々起こるといった症状が始めて起きた時は、まずは整形外科や脊椎脊髄専門外科を受診してください。

整形外科を受診してレントゲンやＭＲＩを撮ってもらい、あなたの頚椎の状態を把握することが大切です。そして、先生からの診断と治療方針をお聴きして、保存療法で行うのか手術をしなければならないのかを判断されると思います。

整形外科では手術を行わず保存療法で治療する場合、お薬の処方、湿布、リハビリ治療になります。

お薬は主に鎮痛薬、ビタミン剤、神経障害性疼痛緩和薬（リリカ）などが処方されます。鎮痛薬が効かない場合はブロック注射を行うところもあります。リハビリ治療は施設によって違いがありますが、ほとんどが頚椎牽引、電気治療、短時間のマッサージが行われます。

 

お薬を服用する一番の心配は副作用があることです。

頚椎椎間板ヘルニアで処方されるお薬は、胃腸が悪くなったり、吐き気、目まい、眠気を感じたりする副作用があります。

薬を飲み続けることによって、胃潰瘍になったり、仕事に支障をきたしたりと副作用で日常生活がしんどくなる可能性があります。

また、リハビリ治療で行われる頚椎牽引は、症状が悪化する事例やほとんど効果がないといった事例が散見しています。

 

整形外科の治療のスタンスは鎮痛薬やブロック注射で痛みを感じないようにして、身体の自然治癒力の力で痛みが治まるのを待つ治療法です。ですから、症状改善に時間がかかる消極的な治療法といえます。

 

３．整形外科の治療で改善されない時の対処法

 

もし、整形外科の治療でなかなか改善されない時や、お薬をあまり服用したくない方の対処法としては医業類似行為での対処法があります。

医業類似行為とは病院以外の治療で、例えば鍼灸治療、柔道整復、マッサージ、整体などの治療のことをいいます。

しかし、今では、この医業類似行為を行っている施設が無数にあります。どれを選んでいいのかわからない方も多いと思いますので、選んでいい治療法、選んではいけない治療法をもう少し掘り下げてお話しします。

 

３－１．医業類似行為の治療院の選び方

 

１．国家資格を持っているかいないか

２．医療機関（病院）での施術経験があるか

３．施術経験はどのくらいあるか

４．同じような症状の患者さんが改善されているか

５．専門性（得意分野）があるかどうか。

以上のようなことを念頭において治療院を探してください。

それでは、1つ1つ説明していきます。

 

１．国家資格を持っているかいないか。

 

頚椎椎間板ヘルニアの治療で医業類似行為の治療院を選択する時の一番の目安にしていただきたいことは、国家資格を持っている施術者が施術をするかどうかを確認してください。

施術院を開設しているところは何らかの資格を取得しているのが一般的です。その資格の種類には、国家資格（厚生労働省が認可）、民間資格（無資格）（一般の団体や会社が認可）があります。

治療院で国家資格は鍼灸師、柔道整復師、あんまマッサージ師で鍼灸院、整骨院、接骨院を開設しています。

民間資格はクイックマッサージ、リラクゼーションマッサージ、整体、カイロプラクティックなどの施設を開設しています。

 

国家資格	鍼灸院、整骨院、接骨院
民間資格	整体、カイロ、マッサージ、 足つぼ、アロママッサージなど

 

民間資格の施設は資格を取るまでの期間が１週間から２年とバラツキがあり医学の知識と施術技術に大きな差があります。ですから、頚椎椎間板ヘルニアのような重篤な症状を治療する技術と経験がほとんどありません。

 

２．医療機関（病院）での施術経験がある

 

今では、病院の中でも国家資格を持っている鍼灸師、柔道整復師、指圧マッサージ師が活躍しています。そのような方が、独立開業されている治療院があります。

病院での治療はドクターが頚椎椎間板ヘルニアであると確定診断された患者さんを施術します。ですから、本物の患者さんを施術する機会が得られ、深い知識と施術経験が豊富にあり一般的な治療院よりも安心して治療を受けることが出来ると思います。

 

３．１０年以上の施術経験がある施術者。

 

治療技術は一概には言えませんが経験が長いほど上達していきます。

経験があればあるほど施術の幅が広がり、いろいろな症状に対応することが出来ます。ですから、施術経験が１０年以上ある施術者がいいと思います。

 

４．あなたと同じような症状の方が改善されている治療院

 

治療院を探される方法は今ではインターネットで治療院を探される方が多いと思います。

そして、治療院のホームページには改善された患者様のお喜びの声を掲載されているところが多くあります。

その中で、あなたと同じような症状の方が書かれている、お喜びの声の多い治療院を選んでください。

いくらお喜びの声が多くても、違う症状であればあまり参考にはなりません。

 

５．専門性（得意分野）の高い治療院

 

今では、治療院も腰痛専門、頭痛専門、肩こり専門などの専門性の高い治療院を開設しているところがあります。

ですから、頚椎椎間板ヘルニアの治療は頚椎疾患専門、シビレ専門などの治療院を探されるといいと思います。

専門性があるところは得意分野であり、治療技術やノウハウが高いと思います。

また、同じような症状の患者様が集まりますから、一般的な治療院よりも治療経験が多くなり実績が高いと思います。

 

以上のことから、頚椎椎間板ヘルニアの治療に適した医業類似行為は、頚椎治療の専門性が高い鍼灸院または整骨院、接骨院になります。

 

その中でも、頚椎椎間板ヘルニアの治療に適しているのは鍼灸治療だといえます。

なぜなら、整骨院、接骨院で行うマッサージや電気治療は、頚椎椎間板ヘルニアの治療効果が低いからです。

 

４．頚椎椎間板ヘルニアに最適な鍼灸治療とは

 

 

鍼灸治療とは、鍼とお灸を使って身体に刺激を与え人間の自然治癒力を高めて身体を治していく治療法です。

鍼灸治療は歴史が長く、律令時代に中国から伝来し今現在まで伝統の治療法が脈々と受け継がれています。今では、大学病院などの医療施設でも鍼灸治療を取り入れている施設が数多くあります。

また、アジア、欧米を中心に世界でも鍼灸治療の効果が認められ、その国々の方の健康を支えています。

鍼灸治療の治療効果のメカニズムは解明されていないことが多くありますが、中には科学的に解明されているものもあります。それは以下の通りです。

 

４－１．鍼灸治療の治効理論

 

１．鎮痛効果

 

人間が本来持っている痛みを自ら抑える疼痛抑制機構のメカニズムを高め、痛みを和らげます。

このメカニズムを使って中国では鍼で麻酔をかけ抜歯をしているところもあります。

 

２．血流改善

 

鍼灸治療を行うと、治療箇所の血管が拡張する自律神経反射が起こります。この反射を軸索反射といいます。

組織の血管が拡張し血流が増大すると、新鮮な酸素や栄養が運ばれてきて新陳代謝が活発になり組織の炎症を消退させ痛みを和らげることが出来ます。

 

３．免疫力の強化

 

鍼灸治療は鍼とお灸を使って身体のごくわずかな傷をつけます。傷がついた身体はその傷を治そうと身体の免疫のメカニズムが強くなります。

その結果、身体の自然治癒力が高まり、今お悩みの症状も改善されます。

 

鍼灸治療は鍼を身体に刺す治療なので痛くて熱くて怖いと思うかもしれませんが、痛みや熱さはほとんどありません。

そして、ヘルニアが起きている頚椎や炎症が起きている筋肉に無理な力を加えないので、マッサージやカイロプラクティックに比べて治療事故が少ないです。

また、副作用がありませんので、お薬の副作用が心配な方には最適な治療法だといえます。

鍼灸治療は未病（病気になる手前）を治療することが出来ます。これは、頚椎椎間板ヘルニアを発症する前兆の強い首こり、肩こり、寝違えのような痛みの段階でも治療が行え、症状悪化を未然に防ぐ可能性があります。

そして、身体全身の不定愁訴（原因がわからない身体の不調）にも効果があり、頚椎椎間板ヘルニアの自律神経症状の目まい、頭痛、腰痛、吐き気などの症状にも最適な治療法です。

 

５．頚椎椎間板ヘルニアの最悪な治療法。

 

 

頚椎椎間板ヘルニアの治療法で受けてはいけない最悪な治療法あります。

それは、整体、カイロプラクティックで行われている、頚椎をグキッとする頚椎の矯正治療と強く揉むマッサージです。

頚椎椎間板ヘルニアは頚椎の椎間板が破れて、中身が飛び出し破綻している状態です。その状態で整体、カイロプラクティックの頚椎に無理な力を加える矯正治療を行うと、さらに椎間板が破綻し症状を悪化させる恐れがあるからです。

そして、強く揉むマッサージも受けてはいけません。なぜなら、頚椎椎間板ヘルニアの痛みの原因は、首、肩の筋肉の炎症にあります。炎症を起こしている筋肉に、強刺激のマッサージを行うと筋肉の炎症がさらに悪化して痛みが強くなる可能性があるからです。

このように、頚椎椎間板ヘルニアでお悩みの方は、絶対に整体、カイロプラクティックの首の矯正治療は受けないようにしてください。

 

６．まとめ

 

頚椎椎間板ヘルニアの治療方法と最適な治療院の選び方をお伝えしました。

頚椎椎間板ヘルニアは一般的な首こり、肩こり、寝違えなどとは違い、神経の病気でとても重い病気です。ですから、まずは病院を受診してください。

そして、手術の必要がなくお薬、湿布などの保存療法で治療を行うとなれば、他の医業類似行為の治療を選ばれても問題はないと思います。治療院を選ぶ時はこの記事を参考にして、くれぐれも慎重に選んでください。
 

 

 

 

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