頚椎牽引

 

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの時に行われる治療法に頚椎牽引があります。牽引療法は、古代ギリシャの医者であるヒポクラテスが骨折や脱臼の整復に用いていたという歴史ある療法です。

牽引療法は「軟部組織のストレッチ」「椎体間や椎間関節の離解」「筋スパズムの低下」「組織の血流改善」などの治療効果が期待されていて、頚椎の疾患や腰椎の疾患など、幅広く使用されています。

しかし、長い間、治療を行っていても「症状が改善されない」や「治るどころか反対に痛みが強くなった」と言ったようなことを聞かれることが多くあります。あなたも経験があるかもしれませんね。

今回はなぜ、頚椎牽引を行っていても、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアが改善されないのか、その理由についてお伝えします。もし、あなたが頚椎牽引の治療をされていて、症状が改善されず疑問にお思いでしたらぜひ参考にしてください。

 

1.頚椎牽引をしても椎体間は広がらない。

1-1 頚椎症の要因(椎体間の狭小化)

頚椎症レントゲン

 

頚椎症の原因の一つに、「椎体間の狭小化」があります。椎体間というのは骨と骨の間の隙間のことを言います。椎体間が狭くなると、神経の通り道が狭くなって神経を圧迫し、頚椎症の痛みやシビレ症状が現れる要因になります。

この狭くなった椎体間を広げる目的で頚椎牽引が行われます。

詳しくは「40歳以上の方に知って欲しい、頚椎症性神経根症の原因と予防法ついて」を参考にしてください。

1-2 椎体間が広がるのは、頚椎牽引を行っている一時だけ

頚椎牽引を行っている時は、一時的に椎体間が広がっていると思われますが、治療が終わると元に戻ってしまいます。椎体間が狭くなっている原因は、椎体と椎体の間にある椎間円板の高さが加齢やヘルニアが原因で薄くなっているために起きています。

椎体間を広げるためには、椎間円板の再生が不可欠ですが、現代の医学では椎間円板の再生は不可能です。

すなわち、頚椎牽引で引っ張っても椎体間は一時的にしか広がらないので、頚椎症の改善は難しいということになります。

 

2.頚椎牽引を行うと痛みが悪化する場合がある

2-1 頚椎症の要因(椎間孔の狭小化)

頚椎症性神経根症のレントゲン画像

 

頚椎症の要因の一つに、「椎間孔の狭小化」があります。椎間孔というのは、頚神経が脊髄から分かれ腕などに行く時に通る脊柱にある孔です。

椎間孔の狭小化の原因は加齢による骨棘の形成です。椎間孔が狭小化すると頚神経が圧迫され頚椎症の痛みとシビレ症状の要因の一つにになります。

詳しくは「40歳以上の方に知って欲しい、頚椎症性神経根症の原因と予防法ついて」を参考にしてください。

2-2 頚椎牽引を行うと椎間関節に負担がかかり痛みが出ることも

椎間孔の狭小化は、加齢が原因で椎間孔や椎間関節付近に骨棘(骨の棘)が形成されたために起こります。骨棘が形成されると椎間関節が癒着し関節の動きがスムーズに行われないことも考えられます。

椎間関節が癒着している状態で頚椎牽引を行い、椎間関節の離解させるようなことを行うと、椎間関節を痛め頚椎症の痛みが強くなる場合があります。

 

3.頚椎牽引は、頚椎のヘルニアを小さくする作用はない。

3-3 頚椎椎間板ヘルニアの要因とは

ヘルニア画像

 

頚椎椎間板ヘルニアは、加齢などの要因で関節円板の中心から線維輪を破って突出した髄核が神経を圧迫して、首、肩甲骨周辺、腕などに痛みやシビレ症状が現れます。ヘルニアには突出している形態から「膨隆型」「脱出型」「穿破脱出型」「遊離脱出型」に分けられます。

詳しくは「頚椎椎間板ヘルニアはストレートネックが大きな原因の1つです。」を参考にしてください。

3-4 頚椎牽引をしても、ヘルニアは引っ込まない

頚椎牽引を行うと「ヘルニアが引っ込む」と言われていることがあります。しかし、そのような効果はほとんどありません。

頚椎牽引をしてヘルニアが引っ込む可能性があるのは軽度の膨隆型の時で、しかも頚椎牽引をしている時だけです。頚椎牽引で首を引っ張ると、関節円板の内圧が低くなるために髄核が一時的に中心に引き戻されヘルニアが引っ込む形になります。

しかし、頚椎牽引が終わると再び関節円板の内圧が上がり、破れている線維輪の所から髄核が脱出する可能性があります。再び脱出しないようにするためには、線維輪が修復されないといけないのですが、線維輪には血流が乏しく自己修復される可能性は低いのが実情です。

ヘルニアを小さくする方法は、手術をして人工的に取り除くか、白血球が異物とみなし食べて吸収するかしかありません。

すなわち、頚椎牽引を行ってもヘルニアは引っ込むことがなく、頚椎椎間板ヘルニアの症状が緩解するとは考えにくいことになります。

 

4.頚椎牽引を行っても、トリガーポイントは改善されない。

4-4 頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの上肢の痛みはトリガーポイントが原因

トリガーポイント

 

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアになると、首、肩の筋肉が緊張し酸欠状態になり炎症が起きます。筋肉に炎症が起きた状態が続くと筋肉内にトリガーポイントが形成され、上肢の痛みの原因となります。

このトリガーポイントが改善されない限り上肢の痛みはなかなか改善されません。

4-5 トリガーポイントを改善は、鍼施術、注射療法で。

トリガーポイントを改善するには、トリガーポイント鍼施術、トリガーポイント注射療法、トリガーポイントマッサージなどの治療法があります。この治療法の中でも、トリガーポイント鍼施術、トリガーポイント注射療法は、直接トリガーポイントに鍼を当て治療できるのでより効果の高い治療法になります。

頚椎牽引で首を引っ張っても、トリガーポイントが改善することはありません。

したがって、頚椎牽引で頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアによる上肢の痛みは改善されないことになります。

 

5.頚椎牽引を適切な方法で行っていない

5-1 頚椎牽引を行う前には準備が必要

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの方は、首、肩の筋肉が緊張して硬い状態にあります。ですから、頚椎牽引を行う前に、ホットパックでの温めやストレッチなど行い筋緊張を緩和する前準備を行わなければなりません。

この筋緊張をとる作業が行われなかったり、不十分だったりした場合は、緊張している筋肉が無理に引っ張られることになり、痛みが悪化する恐れがあります。

5-2 頚椎牽引の適切な角度で引っ張っていない。

頚椎牽引を行うときに重要なのが、頚椎を引っ張る重さと引っ張る角度です。

頚椎を引っ張る角度は、上部頚椎0~15度 中部頚椎 15~30度 下部頚椎 30~45度 というように頚椎に異常がある部分で角度を変えなければ適切な効果は得られません。

しかし、多数の施設では引っ張る重さを変えることはありますが、角度に気を配って治療を行っている施設は少ないです。また、頚椎牽引を行っている途中で患者さんが動くことによって引っ張る角度が変わる可能性もあります。

このことが、頚椎牽引の治療効果が低い要因ともなっています。

 

6.なぜ、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアで頚椎牽引を行っているのか

頚椎牽引は、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアに対して治療効果が出るかわからない治療法です。今では、頚椎牽引を行っていない施設もあります。では、なぜ、頚椎牽引が行われているのか、それは次のような三つの理由が考えられます。

6-1 牽引療法は昔からある治療法だから

牽引療法は、古代ギリシャのヒポクラテス時代から存在している歴史ある治療法です。1950~1960年代にかけて、電動の牽引装置が開発されたことがきっかけで牽引療法が流行しました。この名残から頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの治療法として取り入れられています。

また、頚椎牽引は首に器具を装着してボタンを押すだけなので、操作が簡単で使用するにあたり特別なスキルがいらないことも使われて続けている理由の一つです。

6-2 頚椎牽引で改善される可能性もあるから

頚椎牽引は、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアに対して治療効果は低いですが、中には改善される方もおられます。しかし、改善されるまでの、治療頻度や期間はわかっていません。病院の中には頚椎牽引などのリハビリを毎日通ってくださいという施設もあります。

頚椎牽引は改善されるかわからないが、とりあえず治療に通ってくださいというような治療法です。

6-3 病院では、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアに対して出来る治療法が少ないから

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの病院での治療は、脊髄症状が出ている場合は手術が行われますが、この症例はごく少数です。

ほとんどが投薬治療、注射、頚椎牽引といった保存療法の治療が行われます。頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの治療ガイドラインには、治療法として頚椎牽引が書かれていますが、効果があるとは明記されていません。

どれも決定的な治療法ではありませんが、整形外科も何らかの治療を行わけばいけないため、頚椎牽引に頼らざるを得ないのが実情なのです。

まとめ

頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアの治療は、西洋医学で行われる治療は限られています。頚椎牽引をしていても改善されないこともあります。長期間、頚椎牽引を行っていても症状が改善されない場合は、かかりつけの医師に相談するか、違う治療法を探してよりよい治療法を見つけるようにしてください。

 

 

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